HISTORY
YUME OTOME

夢乙女を
かたち作るもの。
2023年12月にOPENした夢乙女。
そこに至るまでには祖父の代から続く商家としての歴史、
師である母からの縫製技術の伝承と経営者としての教え全てが繋がりかたち造っています。
1901
商家の系譜
商船へ天然氷を販売
母の実家である秋田の八郎潟にある加賀谷の家は、天然氷を船中での生鮮物の冷蔵保存用に販売する商家で、祖母は土崎でとれた魚を五城目町へ売りに行き、仕入れたお米を販売していました。祖母は多くの人を受け入れ、働く人を敬い慕われていました。祖父は茶道裏千家や花道池坊の範士で、土崎信用金庫の2Fで展覧会を開いたり地域貢献にも尽力しました。この商家の心が夢乙女の源となっています。


1955
千鶴子氏 誕生
1960
洋裁学校
秋田文化服装研究所
洋裁学校の教師をしていた叔母の勧めで洋裁を始めた母、伊藤睦子は天性の才能で秋田で3本の指に入る婦人服デザイナーに成長し秋田市内にある氷商を営む祖父の土地に洋裁学校「秋田文化服装研究所」を設立。
師匠である睦子氏は、お弟子さんが「先生」と呼んでいたため常に先生であり、千鶴子氏が「おかあさん」と呼んだのは晩年、睦子氏が病に倒れてからのことであった。

1967
洋装PISA
睦子氏のブティック開業
お弟子さんの中でも腕を上げた方を縫い子さんとして採用し、婦人服お仕立て専門店として秋田市有楽町に有限会社かねまつ洋装PISAをOPEN。
3年後には大町に移転しオートクチュールをメインとしつつ高田健三や伊太利屋等ブランド既製服の取扱、オリジナルブランドや輸入ブランド品、輸入雑貨、宝石ジュエリー、毛皮など時代に乗った経営を進める。


1973
就職
千鶴子氏 洋装PISA入社
18歳の時に1年でいいから手伝うように言われた千鶴子氏は洋装PISAに入職。3歳の頃から生地の裏地の上で縫い子さんに囲まれて遊んでいたような千鶴子氏にとってPISAへの入職はごく自然な流れでありました。
睦子先生から高度な技術を教わり、文化服装学院で縫製の基礎を学び、慶應義塾大学経済学部通信教育を受講し、店舗での販売や経理を行う。
実はこの頃の千鶴子氏は縫製にはあまり興味がなく歌手でご飯を食べていきたいと思っていた。18人編成のジャズバンドに入っていたことも。

1974
転機
オイルショックの影響
当初1年の約束だった手伝いですが、オイルショックは洋装PISAにも直撃。
雇っていた針子さんの減少のために千鶴子氏も本格的に縫製の世界に入って行くこととなります。


1990
リメイク
近所にユニクロ出店
時代は移り変わり、洋服は既製品の時代がやって来ます。そんな中、既製品の代名詞ユニクロが近隣に出店。この頃、師である母が入院した事もありお店の経営は千鶴子様に任されることに。 高級オートクチュールである洋装PISAですが、千鶴子様のもとに来る案件で増えたのが「ユニクロのTシャツをリメイクして欲しい」。1500円のTシャツをワンサイズ小さくしたり、襟元を女性用に調整したり。これがもう本当に楽しく「こんなことできるんだ!」と、感動。この事が洋装にのめり込むきっかけとなります。ピサオリジナルTシャツ販売御試み1か月50枚製作、完売。

1999
オートクチュール
初高級オートクチュール
Tシャツのリメイクで縫製に目覚めた千鶴子氏でしたが、実はまだ高級オートクチュールは仕立てた事がありませんでしたが、旧知のお得意様から「蛙の子は蛙なんだから作って!」と型紙を持って頼まれ初めてスカートを仕上げることに。
さすが、先生の娘。初めてのオートクチュールも難なくこなし、これをきっかけに千鶴子氏はオートクチュールの世界に入って行きます。
この時初めて高級生地の裁断をしたハサミの音は子供の頃から聴き続けた母のハサミの音と同じで懐かしさに千鶴子氏の胸に大きく響いた。今もこのハサミは大切に使用しています。


2011
引越
秋田から神奈川へ
秋田から神奈川にし引っ越し。1~3年はお直し屋さんに努めたが、どうしても自分の作品を作り販売したいとネットショップを始める。夢は膨らみ、母と同じ道をもう一度歩もうと決意する。
2015~2018年はアルバイトしながら、自宅を工房としてサンプル縫製など喜んでもらえる服作りをしていた。

2017
開業準備
新しい仲間との出会い
2017年横浜ビジネス交流会に参加、
経営の理念を同じくする仲間に出会い、仲間から紳士服オーダーの注文をいただき売り上げを上げる。たくさんの出会いに恵まれ洋装PISAのような地域や全ての方の役に立つ服つくりをしたいと夢を実現するために動き始める。


2024
夢乙女
夢乙女OPEN
仲間の協力で不動産を紹介していただくなど、たくさんの仲間に支えられ、2024年12月1日千鶴子氏念願の自身のSHOP,夢乙女をOPEN。
他で断られたリメイクやリサイズを受けることだけでなく、同業の方から難しいお直しの相談を受ける事も。

あるお客様から、お父様の形見のジャケットを
自分用に仕立て直したいというご依頼をいただきました。
お嬢様のご要望にお応えし、ジャケットを分解して布に戻し、
女性用に仕立て直しました。
完成したジャケットを羽織ったお嬢様は、
「まるで父と一緒にいるみたい」
と大変喜んでくださいました。
人を楽しませること、感動を作る事が生き甲斐。
それは歌手になりたいと思っていた少女の頃から変わらないこと。
今は縫製という技術を持って、夢乙女という舞台に立ち、
あなたに感動を届けるために待っています。